2024年のクラリベイト引用栄誉賞受賞者を発表

ノーベル賞クラスの傑出した引用業績と社会的影響力を持つ研究者を表彰

2024年9月19日、ロンドン(英)― 革新的なインテリジェンスを提供する世界有数の情報サービスプロバイダーであるClarivate Plc (NYSE:CLVT)は、本日、2024年の引用栄誉賞 (Citation Laureates™ ) を発表し、今後ノーベル賞を受賞する可能性の高い研究者リストを公開しました。6カ国にわたり選出された22名の優れた科学者・経済学者たちは、それぞれの分野で画期的な影響力を発揮しており、その業績はノーベル賞級とみなされています。クラリベイトが引用栄誉賞の受賞者として発表した75名の研究者は、その後ノーベル賞を実際に受賞しています。

本年の引用栄誉賞受賞者は、クリーンエネルギー、ナノテクノロジー、3Dタンパク質構造、汚職の経済的影響、心臓病、分子動力学、量子コンピューティング、遺伝子刷り込み、凝縮系物理学などの主要分野の研究の発展に大きく貢献しました。

本年の受賞者22名は研究をリードする学術機関や企業に所属しています。そのうち11名は米国、6名は英国、2名はスイス、そしてドイツ、イスラエル、日本には各1名が在籍しています。

Google DeepMindのディレクターであり本年の引用栄誉賞受賞者であるJohn M. Jumper氏は次のようにコメントを寄せています。「引用栄誉賞の受賞は、人工知能プログラムの開発だけではなく、この分野における革新的な一歩を意味します。この賞によって、この研究がさらなる発展を遂げることを確信しています。私は、科学者という仕事を通じて、医療や科学が社会にとってより良く機能することに強い情熱を抱いています。」

また、同じく受賞者のGoogle DeepMind共同創設者・最高経営責任者(CEO)Demis Hassabis氏は次のように述べています。「2024年の引用栄誉賞への選出をとても光栄に思います。私がAIの研究に注力してきたのは、AIによって科学が発展し、何十億もの人々の生活が向上する可能性があったからです。AlphaFoldはその可能性を最初に証明しました。AlphaFoldは、酵素設計から創薬に至るまで、重要な仕事を進めるために200万人以上の研究者に利用されてきました。AIは難病の治療や、個別化医療を提供することを可能にし、「science at digital speed(デジタルスピードの科学)」を促進する、これまでで最も有益な技術のひとつになると私は信じています。」

クラリベイトのアカデミア&ガバメント部門でリサーチ&アナリティクスのSenior Vice Presidentを務めるEmmanuel Thiveaudは次のように述べています。「引用栄誉賞は、様々な研究分野においてイノベーションと社会的インパクトをもたらす先見性に富んだ研究に敬意を表するものです。彼らの影響力は引用分析によって証明が可能であり、将来の発見と社会への貢献において、大きなインパクトを持つことを浮き彫りにしています。クラリベイトは、イノベーションの可能性を秘めた先駆者たちをこのような形で発表できることを大変誇りに思っています。」

2002年以来、Institute for Scientific Information(ISI)のアナリストは、生理学・医学、物理学、化学そして経済学の各分野においてノーベル賞を受賞する可能性の高い研究者を特定するために、Web of Science™に収録された質の高い学術誌の掲載論文・引用データを活用してきました。1970年以降、Web of Scienceに索引付けされた約6,100万報の論文や会議録のうち、2,000回以上引用されたのはわずか0.01%にすぎません。

2024年の受賞者と受賞理由は以下の通りです。

生理学・医学
Jonathan C. Cohen
テキサス大学サウスウェスタン・メディカル・センター(米国)
Helen H. Hobbs
ハワード・ヒューズ医学研究所(米国)
テキサス大学サウスウェスタン・メディカル・センター(米国)

心血管疾患治療の新薬につながる脂質代謝の遺伝学研究
For research on the genetics of lipid metabolism, which has led to new drugs to treat cardiovascular diseases

Ann M. Graybiel
マサチューセッツ工科大学(米国)
彦坂 興秀
国立眼病研究所(米国)
Wolfram Schultz
ケンブリッジ大学(英国)
カリフォルニア工科大学(米国)

運動制御や学習行動の中心となる大脳基底核の生理学的研究
For physiological studies of the basal ganglia, central to motor control and behavior including learning

Davor Solter
マックスプランク免疫生物学およびエピジェネティクス研究所(ドイツ)
Azim Surani
ケンブリッジ大学(英国)

ゲノムインプリンティングを発見し、エピジェネティクスと哺乳類の発生についての理解を進展
For the discovery of genomic imprinting, advancing our understanding of epigenetics and mammalian development

物理学
Rafi Bistritzer
テルアビブ大学(イスラエル)
Pablo Jarillo-Herrero
マサチューセッツ工科大学(米国)
Allan H. MacDonald
テキサス大学オースティン校(米国)

マジック角ツイスト二層グラフェンの物理学および関連するモアレ量子デバイスに関する先駆的な理論的・実験的貢献
For pioneering theoretical and experimental contributions to the physics of magic angle twisted bilayer graphene and related moiré quantum devices

David Deutsch
オックスフォード大学(英国)
Peter W. Shor
マサチューセッツ工科大学(米国)

量子アルゴリズムと量子コンピューティングへの革命的貢献
For revolutionary contributions to quantum algorithms and computing

Christoph Gerber
バーゼル大学(スイス)

原子間力顕微鏡の発明と応用
For invention and application of atomic force microscopy

化学
David Baker
ハワード・ヒューズ医学研究所(米国)
ワシントン大学(米国)
John M. Jumper
Google DeepMind(英国)
Demis Hassabis
Google DeepMind(英国)

タンパク質の3次元構造と機能の予測・設計への貢献
For contributions to the prediction and design of three-dimensional protein structures and functions

堂免 一成
信州大学アクア・リジェネレーション機構(日本)
東京大学(日本)

水分解用光触媒と太陽光水素製造システムの構築に関する基礎研究
For fundamental research on photocatalysts for water splitting and the construction of solar hydrogen production systems

Roberto Car
プリンストン大学(米国)
Michele Parrinello
スイスイタリア大学(スイス)
スイス連邦工科大学チューリッヒ校(スイス)

計算化学に革命をもたらしたカー・パリネロ法によるab-initio分子動力学計算法
For the Car-Parrinello method for calculating ab-initio molecular dynamics, a revolution in computational chemistry

経済学
Janet Currie
プリンストン大学(米国)

子どもの発達に関する先駆的な経済分析
For pioneering economic analysis of child development

Partha Dasgupta
ケンブリッジ大学(英国)

人間経済における自然と資源の統合に関する研究
For integrating nature and its resources in the human economy

Paolo Mauro
国際金融公社(米国)

汚職が投資と経済成長に及ぼす影響に関する実証的研究
For empirical studies of the effects of corruption on investment and economic growth

編集者への注記:
引用栄誉賞受賞者分析の手法や、2002年以降に選出された引用栄誉賞受賞者のリストはHall of Citation Laureatesをご覧ください。

クラリベイトのInstitute for Scientific Information (ISI)の研究分析部門責任者David Pendleburyへの取材やインタビューをご希望の場合はクラリベイトまでお問合せ下さい。

今年のノーベル賞発表は10月7日 ~ 14日に開催されます。発表はwww.nobelprize.org でライブストリーミング上映される予定です。

クラリベイトについて

Clarivateは、革新的なインテリジェンスを提供する世界有数の情報サービスプロバイダーです。学術、知的財産および、ライフサイエンス・ヘルスケア分野で充実したデータ、インサイト・アナリティクス、ワークフローソリューション、専門家によるサービスを提供しています。詳細についてはclarivate.com/jaをご覧ください。

本リリースは、Clarivateが2024年9月19日に発表したプレスリリースを日本語に翻訳再編集(一部追記を含む)したものです。オリジナルは英文ニュースリリースをご参照ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

本件に関するお問い合わせ先

【日本国内】
クラリベイト・アナリティクス・ジャパン株式会社
アカデミア&ガバメント
Email: marketing.jp@clarivate.com

【日本国外:グローバル】
Rebecca Krahenbuhl, Senior Manager, External Communications
Email: newsroom@clarivate.com